2009年3月2日月曜日

A級戦犯は当時なかったことは当然でございますね、ところが 今でもでもないんです。

ですから不戦条約を唯一の根拠とするわりにはケロッグの言明を無視しております。

渡部昇一 「無視しておりますね。」

佐藤和男
「とんでもない話。そしてそれからですね日本側の弁護人がですね
清瀬弁護人やアメリカ人の弁護人が何度も討議したように、

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aggression 侵略 の国際法上の定義はないんです。
国際法上、具体的にどういう内容の行為をしたら
aggression に相当するかがないんです。

それで先ほどご指摘いただきましたA級戦犯のね問題でございますけどね、
ドイツはそうとう悪いことをしたけれど、しかし国際法から言いますとね、
 侵攻戦争も戦争権の行使であってね、
侵攻戦争とか自衛戦争とかの区別はないわけです。
それを「平和に対する罪」でねニュルンベルク裁判も東京裁判もですね
「平和に対する罪」でですね訴追し、処刑したわけですね、
そこで連合国側のアメリカやイギリスやフランスもそうですけどドイツもそうですしね
国際法学者が怪しからんと平和に対する罪はないんじゃないかと
無いのをでっちあげて裁いたから、
結局ね事実上政治的にはああいう裁判が行われてしまったけれど
そしてドイツ国民や日本国民は本当に悪いことをしてしまったのかと東京裁判史観でもって
日本国民はがっかりきてしまったと、
だけどね「平和に対する罪」ってA級戦犯っていったい根拠があるのか?ないんじゃないのかと。
それをね、学者がサイバンする政治家でさえも


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国際連合が1945年10月24日にできまして、その2年後の
1947年に国連総会の下部機関として初めて国際法委員会
International Law Commission が全世界から15の国から15人の法律学者、
国際法学者を集めて国際法委員会を作ったんです。
そこへ連合国側が中心となりましてねなんとか「平和に対する罪」というものをね
正式に条約の上でね確認できるようにその条約草案を作ってくれと
「人類の平和と安全にたいする罪」という名目で侵攻戦争を準備し、
war of aggression ようするに自衛戦争でない反対の war of aggression を
計画し準備し、開始し、遂行する。そしてそのための共同謀議に参画する。
これは人類の平和と安全に対する罪であるという条約の文を作ってくれないかということをね、
1947年に国際法委員会に頼んだんです。

ところが国際法委員会は断ったんです。
「それはできません!」と
なぜならば国際法上 aggression という法的概念が
これをね政治的には国連憲章の39条になんかにも
aggression はよくないってことも書いています。
だけどね、"法的な厳密な定義はないんです。"と
だから何が war of aggression なのかまだ国際法で確立されていません。establish されてません。
それをですね条約の文に、こういうものが犯罪で個人の責任を追求するなんてことはできません
って言ってね突っぱねるわけですよ。
それで連合国側が困ったわけですよ。「そういわずに何とかね」連合国側は、
国際法委員会は aggression とは何なのか?
国際法ではどういうことなのか?これを検討しましょうと、
これが長引きましてね、なんと1974年12月までかかるんですよ
一応のね原案ができるまで74年12月14日、
12月14日、義士 丑の日で覚えやすいんですけどね、

渡部昇一「74年ですから戦争終わってから、」

たいへん時間経っております。

渡部昇一「30年たっておりますね。」

やっと国際法委員会はですね、その間にねパール判事、
この方は東京裁判を真っ向から否定されましたからね、
不戦条約をもちだしてけしからん、あんな出鱈目なのを持ち出して、
これにオランダのレーリング判事も同調するしね

ベルナールフランス判事も全く同感だと、
ベルナール判事は、にべもないんですね全部手続きがおかしい。
ダメだと全面的否定ですから、
だからパール判事のように長い反対意見書を出されませんけど 
ベルナールフランス判事なんか真っ向から切り捨てですよ。
オランダの代表判事、レーリングさんも事実上すごい批判です。

1974年12月14日になんとかね、じゃあ条約の原案となるものを出したのが
 aggression の定義に関する国連総会決議です。

渡部昇一 「原案ですね。」
原案です。それで今、止まっているんです。
その原案は何かと言いますと、まあ一国の軍隊が
他国の軍隊を不法に攻撃したら、それが侵攻だというんです。
  だから例えば、アメリカ側の軍艦が太平洋に浮かんでるとそれを中国の潜水艦がね、
何にも理由がないのにいきなり攻撃したらね、それは、act of aggression 侵攻行為だというんです。
あの侵略と言わないんです。

それに関して大事なことは
A級戦犯は現在においてさえないということは、申し上げたい最近の根拠は、
先生もご存知のように
4年前にね、国際刑事裁判所ができましたね、オランダのハーグにInternational Criminal Court
初めてね、個人が国際法上の非常に重大な犯罪を犯してね
国際法上どうしても国際裁判所に裁かれなくちゃならないと、
兼ねがねそういうものがないのにA級戦犯なんてものを作ったのはおかしいっていう批判がね
世界中からあったんですけど、それが初めてね一様形を成したんですね、
ただアメリカもロシアも中国も入ってません。
日本もまだ入らなくて、入れ入れなんて一部が、まあ来年入るか入らないかですが、

国際刑事裁判所は、国際法上の個人の重大犯罪を上げたんです。
当初は4つね、重要犯罪として上げられたわけで、今は3つなんです。
4つというのはですね、
「集団殺害罪」ナチスドイツのユダヤ人虐殺、

渡部昇一「アメリカの無差別爆撃と原爆も入りますな。」

あるいは政治上のあるいは人種上のあるいは宗教上のグループも

渡部昇一「毛沢東も入りますな、」

個人を中心に拷問だとか、その他の迫害とか色々やる、「人道に対する罪」ですね。
前はいっしょにしてたんですけど、分けてね、

それから所謂「交戦法規違反」ですね。
捕虜虐待などのね、「交戦法規違反」昔から第二次大戦中もそれ以前もあったものですね。
この3つ、実は4つ目にですね「侵攻の罪」と crime of aggression 
これは言い換えれば「平和に対する罪」です。

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これはですね2002年に発足した国際刑事裁判所
非常に重要な国際法発展の契機である国際刑事裁判所が
その基本法である、規程ですね、
規則の規にほどと書きます。
基本法の中で3つまで犯罪を挙げたけど
 4つ目の「侵攻の罪」はですね定義ができないために
まだ成立してないんです。

つまり、「侵攻の罪」というのは関係諸国の間で非常に、
侵攻とは何か?具体的にはどういう行為をいうのか?
国家が他国に対してどういうことをしたら
「侵攻の罪」に相当する構成要件をなすのか解らないんです。

渡部昇一
「ということは東京裁判のA級戦犯はまだない ということですね。」

まだないんです。
当時なかったことは当然でございますね、ところが
今でもでもないんです。

今度2009年にですね、「侵攻の罪」についてね
もう一度みんなで討議しましょうと、その時できるかどうかまだわかりません。








国際法の眼で見る大東亜戦争  (その1)
一,大東亜戦争と呼称すべし
二、戦争は国際法上の合法的制度であった

国際法の眼で見る大東亜戦争 (その2)
四、日本は無条件降伏をしていない
五 日本国民から言論の自由を奪った占領軍の検閲制度

靖国神社は日本の「公共宗教」だ
米国の判例にならえば首相の参拝に何の問題もない
 「公共宗教」には政教分離が適用されない
サンフランシスコ平和条約の正しい解釈
一 平和条約第十一条についての誤解
二 講和条約とアムネスティ条項
三 平和条約十一条の機能
世界がさばく東京裁判

A級戦犯というのは、国際法上存在しなかったし、今でも存在していないんです。

A級戦犯というのは、国際法上存在しなかったし、今でも存在していないんです。
このことはね、ちょっとよろしゅうございますか?そのことにふれさせてもらいます。

00:00 / 07:33
佐藤和男
「東京裁判の中で所謂A級戦犯という出ましてね25人ですね、
最初に28人いたけど3人オミットされまして25人になりまして、
特に7人の方が絞首刑になりましたけれど、
そのA級戦犯の主要な犯罪とされたものは「平和に対する罪」です。
「平和に対する罪」 というのは何をしたかたというと 
war of aggression これは日本では侵略戦争と訳すんですが、
私はここ30年来ですね、
aggression  という言葉は日本では機械的に侵略という風に
いつでも皆さんお訳しになる。
しかしこれは間違いだと、というのは簡単に申しますとオックスフォードディクショナリーでも
その他アメリカでも、イギリスでも豪州でもインドでもでね、所謂ネイディブスピーカーが使う、
ネイティブの人が使う国語辞典、英英辞典で見ますとね
  aggression というのは unprovoked attack
挑発されないのに行う攻撃となってます。
あるいは、any first act of enmity [or hostility] 
最初の敵対行動となりましてね、
つまり aggression というのは攻撃が本質なんですね、
例えば広辞苑という日本を代表する辞典で引きますとね
力ずくで他国に入り込んで領土や財物を奪い取ること
奪い取る掠奪するという意味があるんですね、
ところが aggression の英語の言葉自身がですね、
攻撃という意味のアタックとう意味がありましてね、
攻撃が中心でして略奪というのはないんです。




戦争権というものが基本権にございまして、
現在ではですね、侵攻戦争、所謂侵略ですね 、自衛戦争と分けますけれども
第二次大戦中 、あるいは第二次大戦終わってしばらくの間、
自衛戦争と侵攻戦争、コインの裏表の関係ですね、
これを区別しない無差別戦争観というのが、国際法の普通の考えだったんです。
戦争することは合法なんです。

我が国は、東條内閣はちゃんと大日本帝国憲法に基づいて合法的に宣戦布告を行い、
国際法上合法的な戦争をしたんですね、
ですから戦争犯罪でもなんでもないんです。

ところが東京裁判はですね、先ほどご指摘になりました不戦条約ですね、
これが全く無茶苦茶な解釈をしましてね、これを唯一の根拠にしまして
A級戦犯というのを作ったんです。
どういうことかと申しますと、
不戦条約というのは侵攻戦争、とその反対である自衛戦争とを初めて
条約で分けたものではあるんですね、
ところが不戦条約というのは侵攻戦争を放棄しましょう、止めるようにしましょうと
謳ってますけれど、当時ハーバード大学の 教授を含めてですね、
世界中の国際法学者が

この不戦条約というのは戦争することを犯罪としていない、戦争するのをやめましょう
という一つの理想を謳っただけであって、
これは現実の効果として戦争を不法行為としたり、あるいは不法行為を一歩先に進めた犯罪にするものではないと、

こういう風に言っておったわけです。
たった一人くらい不法行為にするという説がありましたけれど、ハーバードの教授を含めて
不戦条約というのは単なる理想を謳っただ けだと、戦争放棄という目標をね、
将来行こうという目標を謳っただけであって、実効は ないと言っておったんですね、

渡部昇一
「しかもケロッグ自身がですね、自衛か何かの解釈は自分が解釈していいと言っていますよね、」

佐藤和男
「それは非常に大事な点でございましてね、実はイギリスなどもね、
スエズ運河株式会社 ですね、そういう権益をもってますからね 、
もしそれが危うくされたらですね、武力を行使してね自衛権を
発動したいわけですよ。
日本も満蒙の権益というのがあの当時のアジア情勢、世界情勢の中
ではね、確保しないとアジア全体が共産主義に覆われてたいへんな
悲惨なことになります。そういう状況の中でね、
満蒙の権益を守りたいうっかり不戦条約に入ってね、正当な自衛行為も
できないようでは困るとためらったんですね、
そこで先ほどご指摘になりました
ケロッグ国務長官がですね、
「戦争、いや自衛戦争をけっして禁止するもんじゃないと、この不戦条約に加入してもですね、
加わってもですね、
自国の行っている戦争が自衛戦争であるのか、
そうでない侵攻戦争 不当な攻撃戦争なのか
それをですね
戦争している当事国のみが自己解釈権、the right of auto-interpretation 
によって判断できると、

そうするとその国は戦争した時は自衛でやっていると言うにきまっていますよね
国連の常任理事国みたいなもんです
自国が侵略をしているなんて絶対言わないで拒否権を使いますよね、」

渡部昇一
「しかもそのケロッグの説明は、アメリカの議会に対しても
やってますから、公式宣言ですよね、」

佐藤和男
「公式宣言ですし、それから公文書として各国に通達されています。
また議会でのね言明の他にですね、公式文書として各国に
通達しております。ですからねちゃんと着てます、日本にも。
受け取ってます。ですからね、それをですね不戦条約を唯一の
根拠にして不戦条約によって侵攻戦争すればそれはですね犯罪だと、
従来 戦争の責任は国家、国際法は国家法人説ですから、
国家が主体ですから個人じゃないんですよ。
もし国家が悪い戦争をしたとなれば、国家が責任をとる
例えば領土を割譲したり、賠償金を払って落とし前をつけるわ
けですねところが、個人が政治家が指導者であっても個人が
責任を追及されるようなことは全然ないわけです。

渡部昇一
「全然ないわけですね、」

佐藤和男
「ところが今一番大事な点をご指摘いただいたんですけれど、
不戦条約は、先ほどのケロッグの声明ですね、自己解釈権
これを無視してね、日本が侵攻したとアメリカが判断する
できるわけないです、連合国側が判断するできるわけないです
まずそれで不戦条約違反です、
侵攻ということについてのね、何であるかということを
清瀬弁護人、それから日本側の弁護人が度々東京裁判の
に聞いているんです。とうとう判決に至るまで言わないんです
何が侵攻 aggression であるか、
日本の場合はね横田さんが侵略と訳したんですね、これは間違いです。
外務省は横田訳で言っていますけれど、これは間違いです、
私は不当な攻撃、あえて侵という字、侵攻という言葉を
ここ30年来使っております。外務省の月一回の研究会でも
そういうことを喚起しておりますけれど、
不戦条約を唯一の根拠とするわりに、ケロッグの言明を無視しております。」

渡部昇一
「無視しておりますね。」

佐藤和男
「とんでもない話。」



A級戦犯は当時なかったことは当然でございますね、ところが 今でもでもないんです。へつづく

A級戦犯はいない!佐藤和男 (6-4)


靖国神社は日本の「公共宗教」だ






世界がさばく東京裁判